研究紹介
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安全・正確な定位脳手術のための日本人デジタル脳図譜の開発

組織輪郭情報からの3次元脳モデルの生成

脳標本をスライス状に解剖して得られた,組織輪郭情報を統合することで,3次元脳モデルが得られます.しかし,脳は軟性臓器であるため,脳を解剖した切断面には変形や欠損が生じます.変形を含んだ輪郭情報を単純に統合して3次元脳モデルを構築しても,正確な脳形状は復元できません.そこで,変形位置合わせ手法によって,切断面の変形を修正しつつ,輪郭情報を統合します.


組織輪郭情報の統合
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参考文献
”3D Model Generation of Brain Block Using Internal Structure Contours for 3D Japanese Brain Atlas Construction”,Shou Sasaki,Ken'ichi Morooka,Kaoru Kobayashi,Tokuo Tsuji,Yasushi Miyagi,Takaichi Fukuda, Kazuhiro Samura, Ryo Kurazume, IEICE MI, pp.1-6, 2014.06

日本人脳図譜のデータベース作成

脳のデータベースを作成するためには,脳モデル同士の比較が必要です.しかし,複雑な形状を持つ脳モデル同士を直接比較することは困難です.本研究は,脳モデルを単純な形状を持つ目標曲面へ写像することで,脳モデル同士の比較を可能とします.


脳モデルの目標曲面への写像
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参考文献
”幾何情報を保存する自己組織化可変モデルに基づく目標曲面への人体組織表面モデルの写像”,宮内翔子,諸岡健一,宮城靖,福田孝一,辻徳生,倉爪亮,電子情報通信学会和文論文誌D・学生論文特集号, Vol.J97-D, No.3,pp.381-392, 2014

患者指向脳図譜の作成

患者の脳内部構造を可視化するツールとして,MRIやCTスキャンがありますが,全ての神経核を識別することは困難です.本研究は,脳図譜を患者の画像に写像し,患者脳内部構造を推定します.


脳図譜の患者脳への写像
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参考文献
”標準脳図譜変形による患者指向脳図譜の構築のためのランドマーク選択”,小林薫樹,諸岡健一,宮城靖,福田孝一,辻徳生,倉爪亮,生体医工学, Vol.51, No.6,pp.390-396, 2014